獣医臨床薬理学の主な目的である,薬物治療を行う際に必要な医薬品の基礎知識,投薬方法の根拠となる理論,投薬後の効果や副作用,獣医領域で扱う動物の疾病治療を含めた医薬品の使用方法について,簡潔に記述。
各項ごとに学習到達目標をあげ,学習しやすい教科書。章ごとに付されている,演習問題と解説も復習に便利。
◆主要目次◆
第1章 薬物治療の基本姿勢
1.薬物治療の基本姿勢と倫理
獣医薬理学から獣医臨床薬理学へ/獣医臨床薬理学と臨床薬理学の役割/
合理的な薬物治療/関連法/獣医師倫理
2.薬物の投与方法と剤型
静脈内注射とその剤型/筋肉内注射・皮下注射とその剤型/経口投与とその剤型/
その他の投与経路とその剤型
3.薬物の体内動態,有害反応,薬物間相互作用
薬物動態パラメータと投与計画/薬物の体内動態の主な支配因子/副作用と有害反応/
薬物間相互作用
第2章 小動物の薬物治療法
1.神経疾患,運動器疾患の薬物治療
神経疾患/運動器疾患/筋疾患/骨関節疾患
2.疼痛を伴う疾患の薬物治療
3.消化器疾患の薬物治療
食道および胃の疾患/小腸および大腸の疾患/肝臓,胆嚢および膵臓の疾患/寄生虫による疾患
4.呼吸器疾患の薬物治療
気管支炎/喘/肺炎
5.循環器疾患の薬物治療
心不全/不整脈/イヌ糸状虫症
6.泌尿・生殖器疾患の薬物治療
腎疾患/尿路系疾患/雌性生殖器疾患/雄性生殖器疾患/生殖制御
7.炎症,アレルギーおよび免疫介在性疾患の薬物治療
炎症性疾患/アレルギー性疾患/免疫介在性疾患
8.内分泌・代謝性疾患の薬物治療
糖尿病/甲状腺疾患/副腎疾患
9.感染症の抗菌薬による治療
抗菌薬使用の原則/抗菌薬使用開始の基準/抗菌薬の選択にかかわる要因/PK/PD理論/
薬剤耐性菌対策を考えた新しい治療戦略/血液に感染する原虫症の薬物治療
10.悪性腫瘍の薬物治療
悪性腫瘍の病態生理/悪性腫瘍に対する薬物投与法/悪性腫瘍の薬物療法による有害反応と薬剤耐性/
主な抗腫瘍薬の体内動態
11.皮膚科疾患の薬物治療
アレルギー性皮膚炎/真菌感染性皮膚炎/細菌感染性皮膚炎
12.眼科疾患の薬物治療
炎症性眼科疾患/緑内障/白内障
13.止血,血栓,貧血の薬物治療
血液凝固異常/貧血
第3章 産業動物の薬物治療法
1.産業動物の薬物治療における特殊性
薬物残留/医薬品と飼料添加物/抗菌薬の慎重使用/その他の薬物治療の特殊性
2.消化器疾患の薬物治療
第一胃鼓脹症/第一胃アトニー,第一胃食滞(単純性消化不良)/第四胃変位/腸炎/
子牛の下痢症
3.代謝性疾患の薬物治療
ケトーシス/脂肪壊死症/脂肪肝/和牛の急性肝炎/産褥麻痺(乳熱)/ダウナー牛症候群(代謝性)/
グラステタニー
4.内分泌疾患・繁殖障害の薬物治療
乳房炎/発情同期化/卵巣嚢腫/鈍性発情/分娩誘起/難産
5.運動器疾患の薬物治療
ダウナー牛症候群(外傷性)/趾間フレグモーネ/白筋症
6.呼吸器疾患の薬物治療
ウシの上部気道感染症/ウシの下部気道感染症/抗菌薬療法
7.その他の代表的な反芻動物疾患の薬物治療
尿石症/ワラビ中毒/電解質輸液
付表 動物用医薬品の用法・用量,休薬期間/使用禁止期間
第4章 ウマの薬物治療法
1.呼吸器・循環器疾患の薬物治療
再発性気道閉塞/炎症性気道疾患/肺虫症/肺感染症/胸膜炎/運動誘発性肺出血
2.消化器疾患の薬物治療
疝痛
3.運動 器疾患およびその他の疾患の薬物治療
筋疾患/腱・靭帯疾患/蹄疾患/骨疾患/関節疾患/角膜潰瘍/心房細動/蕁麻疹/
真菌性皮膚炎/感染性子宮内膜炎,胎盤停留
4.競走馬のドーピング
ドーピングの定義/日本の競馬における薬物規制/諸外国の競馬における薬物規制/
馬術競技の薬物規制/日本の薬物規制制度の現状と獣医師の責務
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